年賀状じまいとは
年賀状じまいとは、年賀状でのやりとりを今年で終えることを相手に伝えることです。決まった書式や専用のはがきがあるわけではなく、最後に出す年賀状の中で伝えるのが一般的とされています。
混同されやすいものに喪中はがき(年賀欠礼状)がありますが、別のものです。
| 年賀状じまい | 喪中はがき | |
|---|---|---|
| 伝えること | 今後は年賀状を出さない | 今年は喪中のため年賀の挨拶を控える |
| 期間 | 今年限りではなく以後ずっと | その年だけ |
| 出す時期 | 年賀状として(投函期間内) | 11月中旬〜12月上旬に届くように |
| 翌年以降 | 出さない | 通常どおり出す |
喪中と年賀状じまいが重なった場合は、まず喪中はがきで欠礼を伝え、年賀状じまいの申し出は翌年以降に改めて行う形が落ち着きます。同時に伝えると、喪中を理由にやめたと受け取られることがあるためです。喪中はがきの文面は喪中はがき 文例ジェネレーターで作成できます。
いつ・どうやって伝えるか
最後の年賀状に添えて伝えるのが基本です。年賀状とは別に手紙やはがきを出す必要はありません。
出す時期も通常の年賀状と同じです。2027(令和9)年用なら、投函できるのは2026年12月20日(日)から、元日に届けるための差出目安は2026年12月27日(日)です。日程の詳細はいつまでに出すかで確認できます。
印刷した文面の中に入れても構いませんし、手書きで一言添える形でも問題ありません。むしろ手書きのほうが、事務的に切られた印象を与えにくいと言われます。
誰に出すかをどう決めるか
年賀状じまいは「年賀状という形式をやめる」という申し出です。ところが一部の人にだけ出すと、「あなたとの関係を終えたい」という意味に読まれる可能性があります。
そのため、年賀状を出している相手全員に一斉に出すのが無難とされています。範囲を分けたい場合は、次のように整理すると判断しやすくなります。
- 全員に出す — もっとも誤解が生じにくい形です。迷ったらこれが基本になります。
- 仕事関係だけ続ける — 会社の慣行として続ける必要がある場合があります。この場合、私的な関係の相手には出し、仕事関係には出さない、という分け方になります。
- 高齢を理由にする場合 — 相手も同年代であれば理解を得やすく、範囲を限定しても誤解されにくい傾向があります。
なお年賀状じまいは高齢の人だけのものではありません。年齢に関係なく出せます。理由も、書かなければならないものではありません。
文面の組み立て方
次の4つを順に入れると形になります。理由は省いても構いません。
| 順番 | 要素 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 新年のあいさつ | 謹賀新年 / あけましておめでとうございます |
| 2 | これまでのお礼 | 長年にわたり年賀状をいただきありがとうございました |
| 3 | 年賀状を今年で終える旨 | 勝手ながら本年をもちまして年賀状でのごあいさつを控えさせていただきます |
| 4 | 今後も関係は続くと伝える | 今後も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます |
4番目がもっとも重要です。ここがないと「縁を切られた」と受け取られかねません。可能であれば連絡手段を書き添えると、関係を続ける意思が具体的に伝わります。
相手別の文例
そのまま書き写して使える形で挙げます。理由を入れない形から順に並べています。
理由を書かない場合(もっとも使いやすい形)
旧年中は大変お世話になりました
勝手ながら本年をもちまして年賀状でのごあいさつを控えさせていただきます
今後も変わらぬお付き合いをいただけますと幸いです
皆様のご健康をお祈り申し上げます
令和九年 元旦
高齢を理由にする場合
長年にわたり年賀状をいただき誠にありがとうございました
年々筆をとることが難しくなってまいりましたので
本年をもちまして年賀状でのごあいさつを控えさせていただきます
今後も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます
令和九年 元旦
連絡手段を書き添える場合
旧年中は大変お世話になりました
本年をもちまして年賀状でのごあいさつを控えさせていただきます
今後は電話やメールにてご連絡させていただければと思います
変わらぬお付き合いをどうぞよろしくお願いいたします
令和九年 元旦
仕事関係の相手へ
旧年中は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます
誠に勝手ながら本年をもちまして年賀状でのごあいさつを控えさせていただきます
今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
令和九年 元旦
親しい友人へ
毎年の年賀状ありがとう
今年で年賀状はおしまいにすることにしました
これからも連絡は取り合いたいので気軽に声をかけてください
令和九年 元旦
避けたい書き方
| 避けたいもの | 理由として言われていること |
|---|---|
| 関係を続ける意思を書かない | 年賀状をやめる申し出が、関係を終える申し出に読まれます。最も起こりやすい誤解です |
| 「面倒になった」「負担なので」 | これまでのやりとりまで否定した印象になります。理由を書かない選択もあります |
| 相手を限定していると分かる書き方 | 「〇〇様へは」のように限定すると、その人だけを切ったと受け取られます |
| 一方的に打ち切る断定 | 「今後は一切お送りしません」のような表現より、「控えさせていただきます」が一般的です |
| 喪中はがきと同時に伝える | 喪中を理由にやめたと受け取られることがあります。翌年以降に改めるのが落ち着きます |
賀詞の使い分けや、「去年」を避けて「昨年」とするといった年賀状全般の作法は年賀状の文例とマナーにまとめています。
出したあとに起きること
年賀状じまいを伝えても、翌年に相手から年賀状が届くことがあります。伝えた内容が伝わっていなかった場合もあれば、印刷を先に済ませていた場合もあります。
届いた場合、多くの人が次のどちらかで対応しています。どちらが正しいという決まりはありません。
- 寒中見舞いで返す — 松の内が明けた1月8日頃から立春(2月4日頃)までに出し、年賀状を控えている旨を改めて伝える形です。
- その年だけ年賀状を返す — 相手の気持ちを受け取り、改めて伝えるのは翌年にする形です。
いずれにしても、返さないまま放置すると、やめたことではなく無視されたと受け取られやすくなります。何らかの形で反応を返すほうが、関係を保ちやすいとされています。
「やめる人が増えている」という話について
年賀状をやめる人が増えているという話を聞いて、判断の材料にしようとする方がいます。数字としては次のとおりです。
日本郵便の発表によると、2027(令和9)年用年賀はがきの当初発行枚数は5.6億枚で、2026(令和8)年用の7.5億枚に対して約74.3%です。
ただしこれは市場全体の数字であって、あなたが続けるべきかやめるべきかを示すものではありません。年賀状を続ける価値は相手との関係ごとに違い、全体の枚数から決まるものではないためです。
参考までに、日本郵便自身は2027年用の発行概要の中で「年賀状じまいを考えている方も、今年も大切なあの人へ想いを伝えてみませんか」として、年賀状を続ける人向けのデザインも用意しています。やめる側にもやめない側にも、それぞれの事情があるという以上のことは、この数字からは言えません。