年間の維持費を考えるときは、次の3種類に分けると整理しやすくなります。
- 毎年または定期的に発生する固定費: 軽自動車税、自賠責保険、任意保険、車検
- 走り方によって変わる費用: 燃料、オイル、タイヤ、ブレーキ、チェーンなど
- 住環境によって変わる費用: 駐車場、保管庫、盗難対策用品など
自分の条件で年間・3年間・5年間の総額を確認したい場合は、バイク維持費計算機を利用できます。
排気量別に変わる制度を先に確認
2026年度の主な区分は次のとおりです。
| 排気量区分 | 軽自動車税(種別割)の年額 | 自動車重量税 | 車検 |
|---|---|---|---|
| 50cc以下 | 2,000円 | 通常の登録・保有時にはなし | なし |
| 50cc超90cc以下 | 2,000円 | 通常の登録・保有時にはなし | なし |
| 90cc超125cc以下 | 2,400円 | 通常の登録・保有時にはなし | なし |
| 125cc超250cc以下 | 3,600円 | 新車の新規届出時に自家用4,900円 | なし |
| 250cc超 | 6,000円 | 車検時に納付。車齢等で変動 | あり |
軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点の所有者・使用者に課税される年税です。税額は各自治体の公式案内で確認できます。
出典: 神戸市「軽自動車税の概要」(確認日: 2026-08-31)
125cc以下には、従来の50cc以下の原付に加え、総排気量125cc以下かつ最高出力4.0kW以下に制御された「新基準原付」があります。新基準原付の軽自動車税(種別割)は年2,000円とされていますが、125ccクラスの一般的な原付二種と同じ制度ではないため、購入時は免許区分と車両区分を確認してください。
出典: 国土交通省「新基準原付について」 / 総務省「新基準原付に係る軽自動車税(種別割)について」(確認日: 2026-08-31)
125cc超250cc以下の軽二輪は、新車の新規届出時に自家用4,900円の自動車重量税を納付します。通常の継続保有時に毎年払う税金ではありません。
出典: 北陸信越運輸局 石川運輸支局「軽二輪の各種手続き」(確認日: 2026-08-31)
250cc超の小型二輪は車検時に自動車重量税を納付します。税額は車齢等によって変わるため、固定額として維持費計算へ入れるのではなく、電子車検証または国土交通省の「次回自動車重量税額照会サービス」で確認するのが確実です。
出典: 国土交通省「自動車保有関係手続のワンストップサービス」(確認日: 2026-08-31)
自賠責保険はすべての排気量で必要
自賠責保険は、原付を含むすべてのバイクに加入義務があります。保険料は排気量区分と契約期間で決まり、任意保険のように年齢や等級で変わる仕組みではありません。
2024年4月以降に保険期間が始まる契約について、本土(沖縄県・離島以外の地域)の保険料は次のとおりです。
| 車両区分 | 12か月 | 24か月 | 36か月 | 48か月 | 60か月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 125cc以下(原付) | 6,910円 | 8,560円 | 10,170円 | 11,760円 | 13,310円 |
| 125cc超250cc以下(軽二輪) | 7,100円 | 8,920円 | 10,710円 | 12,470円 | 14,200円 |
| 250cc超(小型二輪) | 7,010円 | 8,760円 | 10,490円 | ― | ― |
出典: 国土交通省「自賠責保険・共済への加入方法と保険料」(確認日: 2026-08-31)
長期契約は1年当たりに換算すると負担が小さくなりますが、売却や廃車を予定している場合は、保有予定期間とのずれも確認します。保険料は将来改定される可能性があるため、この表は2026年8月確認時点のものです。なお、2026年11月1日始期以降の契約から自賠責の基準料率の改定が予定されています(改定後の料率は損害保険料率算出機構・保険会社の案内で確認してください)。
車検があるのは「250cc超」
車検が必要になる境目は「250cc以上」ではなく、正確には250ccを超えるバイクです。250ccちょうどまでの軽二輪には車検がなく、251cc以上として扱われる小型二輪には車検があります。
出典: 東北運輸局 宮城運輸支局「二輪車検査案内」(確認日: 2026-08-31)
ただし、車検がないバイクも点検不要ではありません。国土交通省は二輪自動車の定期点検について、1年ごと35項目、2年ごと54項目を示しています(走行距離等により省略できる項目があります)。実際の点検項目はメーカーのメンテナンスノートや点検整備記録簿でも確認できます。
出典: 国土交通省「点検整備の種類」(確認日: 2026-08-31)
車検費用は「法定費用」と「依頼費用」を分ける
250cc超の車検費用は、次のように分けると比較しやすくなります。
法定・制度上必要になる費用
- 自賠責保険
- 自動車重量税
- 検査手数料
依頼先や車両状態によって変わる費用
- 点検・整備費
- 部品代
- 代行手数料
- 引取・納車費
- 不合格箇所の修理費
検査手数料は2026年(令和8年)4月1日に改定されています。実際に受ける検査の種類や申請方法で異なるため、受検時点の運輸局案内を確認してください。
出典: 中国運輸局「自動車検査の法定手数料変更について」(確認日: 2026-08-31)
ユーザー車検・バイク店・ディーラーの違い
| 受け方 | 向いているケース | 主な注意点 |
|---|---|---|
| ユーザー車検 | 自分で状態を確認し、書類準備や持込検査ができる | 検査予約、書類作成、車両持込、不合格箇所の修理を自分で行う |
| 一般のバイク店 | 点検・整備と車検手続きをまとめて依頼したい | 整備範囲、交換部品、代行料を見積書で確認 |
| メーカー系ディーラー | メーカー固有の整備情報や純正部品を重視する | 法定費用以外の点検・整備内容は店舗ごとに異なる |
ユーザー車検でも、車両が保安基準を満たす必要は変わりません。持込検査には予約が必要です。
出典: 四国運輸局「自動車の検査について」(確認日: 2026-08-31)
任意保険は年齢・補償内容で大きく変わる
任意保険には、対人賠償、対物賠償、人身傷害、搭乗者傷害、車両補償などがあります。契約者の年齢、等級、使用目的、車両、補償額、運転者の範囲によって保険料が変わるため、排気量だけで全国共通の金額を置くことはできません。
出典: 日本損害保険協会「自動車保険」(確認日: 2026-08-31)
維持費計算では、一般的な平均額を自動入力するより、現在の保険証券または見積書に記載された年間保険料を入れる方が正確です。任意保険に加入しない場合は0円になりますが、自賠責では補償されない対物損害、自分のけが、自車の損害などを自分で負担する可能性があります。保険3種類の違いはバイク保険3種類の違いで詳しく整理しています。
消耗品費は「年額固定」ではなく走り方で考える
バイクの消耗品には、エンジンオイル、タイヤ、ブレーキパッド、チェーン・スプロケット、バッテリー、冷却水、電球類などがあります。交換時期は走行距離だけでなく、車種、保管環境、使用頻度、経年劣化、メーカー指定によって変わります。
したがって、維持費計算では次のどちらかで入力します。
- 過去1〜2年に実際に支払った整備費を年平均にする
- 今後予定している交換費を、使用予定年数で割って積み立てる
メーカーの取扱説明書・メンテナンスノートに指定された点検時期を優先してください。国が示す法定点検は最低限の制度上の枠組みであり、個々の車両の交換時期を一律に決めるものではありません。
出典: 国土交通省「点検整備の種類」(確認日: 2026-08-31)
保管費と燃料費は地域・利用量で決まる
燃料費は、年間走行距離÷実燃費×燃料単価で概算できます。カタログ燃費と実際の燃費は、速度、積載、渋滞、気温、整備状態などで差が出るため、自分の給油記録があれば実績値を使います。
保管費は、自宅敷地内なら0円の場合もあれば、月極駐輪場や屋内保管庫の料金が発生する場合もあります。全国一律の公的料金はないため、利用する駐輪場の月額を12倍して入力します。
年間維持費はこの順で組み立てる
= 軽自動車税
+ 自賠責の年換算額
+ 任意保険
+ 車検・重量税の年換算額(250cc超)
+ 燃料費
+ 整備・消耗品費
+ 駐車・保管費
+ その他の装備・盗難対策費
「250ccは車検がないから安い」「大型バイクは税金が高い」と一項目だけで判断するのではなく、保険、保管、走行距離、整備履歴まで含めて確認することが大切です。